【在住者の声】屋久島へ行ってはいけない!?リスクとその解決策
この記事では「屋久島へ行ってはいけない?」と不安に思っている方に向けて、屋久島で15年以上ガイドツアーを運営してきた筆者の経験をもとに、縄文杉トレッキングのリスクとその対策を詳しくご紹介します。
安心して屋久島旅行を楽しんでいただけるよう、注意点や準備すべきこともお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
屋久島へ行くかどうか迷われている方なら、これで解決するはず。
10年以上、屋久島で観光業に携わっています。
元々旅行者だった筆者ですが、2006年から屋久島へ移住。
14歳の娘と夫の3人暮らし。 東京、名古屋に在住経験あり。
→屋久島ファンをもっと詳しく
屋久島へ行ってはいけない!?屋久島旅行リスクとその解決策
屋久島旅行をする際に起こりうるリスク面についてご紹介します。
ちなみに、縄文杉は樹齢7,000年ともいわれる、超高齢の屋久杉です。
ということで、いつ倒れてもおかしくないといえますので、縄文杉が見れなくなるという可能性ももちろんあります。
2024年8月末、白谷雲水峡の樹齢1,000年以上といわれる、弥生杉が折れてしまいました。とて残念ですが、縄文杉でなかったことは、不幸中の幸いだったのかもしれません。。。
縄文杉トレッキングをする場合のリスク
縄文杉トレッキングは「1日往復10時間かけて歩いていくしかない」ロングトレッキングです。
ですので縄文杉トレッキングコースの「最短コース」が往復10時間です。
この縄文杉トレッキングのリスクは、『エスケープルートがない&交通手段がない』という点。
万が一何かあった時、すぐに対応しずらいという点がリスクといえるでしょう。
ちなみに『縄文杉トレッキングの半日コース』もありません。
もちろん、途中までロープウェイなどで行くこともできません。(荒川登山口まではバスがあります。)
縄文杉トレッキングをリタイアするとどうなる?
そこで気になってくるのが、
縄文杉トレッキング途中で、『こりゃ無理だな』となったら、どうなるか?
その場合は、自力で歩いて帰るしかありません。
もし、途中で大怪我をして歩けなくなった場合は、救助ヘリを呼ぶしかないのです。(←お金けっこうかかります。^^;)
ちなみに、ヘリを呼ぶ携帯電話は、ソフトバンクがつながりにくいです。ドコモとauは要所要所でつながるポイントがあります。
もしガイドツアーへ参加していると、ガイドさんはトランシーバーを持っているので即座に対応可能。そういう意味でもガイドツアーへの参加は有効といえますね。
ということでまとめますと、
縄文杉トレッキングの一番のリスクは、リスクを知らず、対策をしないことです。
逆にしっかり縄文杉トレッキングのリスクを理解して対策していれば、ほとんどの方は無事行って帰って来られるのですから。
ということで、縄文杉トレッキングのリスクに対しての対策は3つです。
- 自分で体力の準備と装備を万全にする。
対策をもっと詳しく→縄文杉トレッキングってきつい?初心者のための「完歩の秘訣」をご紹介! - 縄文杉トレッキング貸切ツアーに申し込んで自分だけにあったペース配分で対応してもらう。
対策をもっと詳しく→【リタイアしてもOK】初心者におすすめ縄文杉トレッキングツアーのご紹介 - 白谷雲水峡太鼓岩コースやバス周遊ツアーなどの難易度を落としたツアーへ変更する。
対策をもっと詳しく→屋久島トレッキング【難易度一覧】初心者におすすめの対応策もご紹介!
初心者や体力に自信のない方向けの縄文杉トレッキングツアーを以下でご紹介しています。
初心者の縄文杉トレッキング
縄文杉トレッキングが『人生初のトレッキング』という方も、ワリと多いです。
当然ですが、縄文杉トレッキングを自分が歩けるか?を事前にはかることはできません。
ですので、初心者の方は、縄文杉トレッキングをする半年くらい前から、「1,自分で体力の準備と装備を万全にする」というところから始めます。
具体的な対策方法については、→縄文杉トレッキングってきつい?初心者のための「完歩の秘訣」をご紹介!でご紹介しています。
- 自分で体力の準備と装備を万全にする。
対策をもっと詳しく→縄文杉トレッキングってきつい?初心者のための「完歩の秘訣」をご紹介! - 縄文杉トレッキング貸切ツアーに申し込んで自分だけにあったペース配分で対応してもらう。
対策をもっと詳しく→【リタイアしてもOK】初心者におすすめ縄文杉トレッキングツアーのご紹介 - 白谷雲水峡太鼓岩コースやバス周遊ツアーなどの難易度を落としたツアーへ変更する。
対策をもっと詳しく→屋久島トレッキング【難易度一覧】初心者におすすめの対応策もご紹介!
ちなみに歩けるかどうかは『年齢と体重』が1つの目安となります。
平均的な話ですので、もちろん当てはまらない方もいらっしゃると思います。そのあたりはご容赦ください。
ということで次にご紹介します。
60歳以上(高齢者)の縄文杉トレッキング
縄文杉トレッキングは60歳を超えたあたりから、要注意となります。
とくに、普段歩く習慣がない60代以上の方です。
ご高齢の方ほど、個人差がでてきますので、自力で対策できる方は以下の1番で体力と装備を万全にしてください。
自信のない方は、2番めの専属ガイド付きトレッキングツアーが有効です。
ちなみに自分たちだけで、リタイア覚悟で行くと、どの地点で引き返すべきかの判断がつかないので実はとても危険です。
「縄文杉へ辿り着けたけど、歩くのが遅かったから戻るのは夜になっちゃうな。」これは遭難の可能性が高まり、荒川登山バスもなくなりますので、ぜったいにやめましょう。
日が沈めば、屋久島の山は一寸先も闇です。
貸切の専属ガイドツアーなら、歩くペースとコース位置で、日の高い内に戻れるかどうかの判断がつき、即座に引き返すことができます。
貸切でない場合のガイドツアーは、行きなら歩けなくなった人のみ、その場でずっと待っていることになります。
- 自分で体力の準備と装備を万全にする。
対策をもっと詳しく→縄文杉トレッキングってきつい?初心者のための「完歩の秘訣」をご紹介! - 縄文杉トレッキング貸切ツアーに申し込んで自分だけにあったペース配分で対応してもらう。
対策をもっと詳しく→【リタイアしてもOK】初心者におすすめ縄文杉トレッキングツアーのご紹介 - 白谷雲水峡太鼓岩コースやバス周遊ツアーなどの難易度を落としたツアーへ変更する。
対策をもっと詳しく→屋久島トレッキング【難易度一覧】初心者におすすめの対応策もご紹介!
そして逆に、屋久島旅行で『縄文杉へ行かない』という選択もアリです。
例えば、ガッツリ歩かず、バスで屋久島の観光スポットを周遊してくれるクラブツーリズムのツアーなどもあります。
体重が重すぎる方の縄文杉トレッキング
また、たとえお若い方でも、体重が平均より重すぎる方も要注意です。
平均より体重が重いということは、他の人よりその分重い荷物を持って歩くのと同じですので、身体への負担が大きいということをご承知おきください。
解決策は、ご存知かと思いますが、体重を落とすことです。
その他の対策としては、上述の対策と同じです。
- 自分で体力の準備と装備を万全にする。
対策をもっと詳しく→縄文杉トレッキングってきつい?初心者のための「完歩の秘訣」をご紹介! - 縄文杉トレッキング貸切ツアーに申し込んで自分だけにあったペース配分で対応してもらう。
対策をもっと詳しく→【リタイアしてもOK】初心者におすすめ縄文杉トレッキングツアーのご紹介 - 白谷雲水峡太鼓岩コースやバス周遊ツアーなどの難易度を落としたツアーへ変更する。
対策をもっと詳しく→屋久島トレッキング【難易度一覧】初心者におすすめの対応策もご紹介!
屋久島トレッキングの天気のリスク
屋久島の天気については 屋久島の「年間の天気と気温」なぜ雨が多いのか?で年間を通しての天気についてご紹介していますが、とにかく雨が多い島です。
また、地形的に雲ができやすいだけでなく、風も強くなりやすく、さらに荒天になりやすです。
天気については、屋久島の天気予報は当たらない?14日前からの天気チェックポイントをご紹介!でもその対策方法をご紹介していますので参考にしてみてください。
ということで、トレッキング中に大雨に遭遇することは珍しくありません。
ですので、ゴアテックス製のレインウエアは必須です。
また、濡れたら滑ったり靴ズレで歩けなくなる、かんたんなスニーカーもご法度なのです。
さらに濡れたら重くなり冷たくなる綿のTシャツやデニムがNGであることも、お分かりいただけると思います。
ですので屋久島トレッキングでの天気に対しての1つの解決策は、正しい知識を持って身体と服装と持ち物の準備をしっかりするということです。
トレッキングの服装については【季節別】屋久島の気温と服装「普段着と登山用」まるっとご紹介!ユニクロがNGなワケ で具体的アイテムやコーディネイトについてもご紹介しています。(登山靴のご紹介もあります。)
屋久島の増水と土砂崩れ
2019年の屋久島豪雨以降、県道や町道の封鎖の基準が厳しくなりました。
ですので、悪天候が予想される場合は縄文杉トレッキングをするために通る道が封鎖されます。となると、荒川登山バスも運休します。
ですので、個人だろうが、ガイドツアーだろうが、とにかく縄文杉トレッキングはできなくなります。
県道や町道の状況については、屋久島町のホームページで確認できます。
荒川登山バスについてはTwitter が最新です。
白谷雲水峡やヤクスギランドの危険性
白谷雲水峡などの沢が多い森では、増水して渡れなくなり、戻ってくることができなくなることもあります。
登山道や、登山口への道は、大雨や台風が来れば簡単に土砂崩れを起こしたり、倒木します。
ですので、荒天のときは、川に近づかないことです。そして、山へも入ってはいけません。
白谷雲水峡やヤクスギランドについては、入り口で入山規制をするのですが、急激な天候の変化ゆえに、対応しきれないことも。
朝は晴れていて入山できても、お昼に豪雨になって、急に封鎖するなんてことも。(その場合、朝に入山した人が危険ということですね。)
ですので事故をなくすために【白谷雲水峡】ガイドなしなら知っておくべき(コース・時間・服装・行き方)を作成しています。
ヤクスギランドについては、「ガイドなし」でヤクスギランドへ行くならの必要情報(コース時間・服装・アクセス・料金・営業時間)をご覧ください。ヤクスギランドは道迷いに注意です。
屋久島の川(安房川・栗生川・宮之浦川・永田川など)
里地ではお天気でも山で雨が降れば、川は急激に増水します。
特に屋久島は雨が多く、また川も短く勾配があるため大変危険です。
実際に旅行者が川遊びをしていて流された事故も起こっていますし、島民の水難事故も起こっています。
ですので、屋久島での川遊びは、必ず信頼できるガイドツアーへ参加しましょう。
屋久島の川の知識がある人のもとでなければ、屋久島の川遊びは大変危険です。
じゃらん 遊び・体験予約
国内最大級のレジャー・アクティビティ予約サイト。クーポンを利用すれば、現地ツアーもお得になります。
屋久島へ行けなくなる?その真相とは
『屋久島へ行けなくなるのは本当ですか?』
『縄文杉が見れなくなるって聞いたんですけど。』
などなど。
お客様より、たまに尋ねられる質問です。
これは、2007くらいから2011年くらいの間、屋久島でトレッキングする人が急激に増え、ゴミやトイレの問題から入山規制をするべきだという話が出たためではないかと思われます。
ですが、『屋久島へ行けなくなる』というのは、まったく根拠のない噂です。
縄文杉が見れなくなる?は本当です
また、『縄文杉が見れなくなる』というのは、
縄文杉がいつ倒れてもおかしくないくらい高齢の屋久杉だからです。
これは本当です。
ですので、次の台風で縄文杉が倒れたとしても少しも不思議ではありません。
大きな台風が来ると、屋久島のガイドさんは少なからずヒヤヒヤします。
なぜなら縄文杉が倒れたら仕事がなくなるからです。
ですので、どうしても縄文杉を見たいということであれば、少しでも早く行くべきでしょう。
屋久島へは呼ばれた人しか行けないと言われる理由
屋久島へ移住してよく耳にするのが、『屋久島へは呼ばれた人しか行けない』という言葉。
ちなみに屋久島の知人が、同じことを言ってました。しかも今から13年くらい前に。笑
屋久島に住んでみ分かったことは、屋久島への交通が荒天でしょっちゅう欠航するということ。
ですので交通が欠航して『屋久島へ入れなかった』という旅行者が一定数いらっしゃるのです。
また、屋久島に憧れて移住してくる方も一定数います。
ですが、やはり本土とは勝手も違い僻地(へきち)ですので、いろいろな事情で定住できず、すぐ島を出てしまう方もいます。
となると『屋久島へは呼ばれた人しか行けない(選ばた人間しか島に入れない)のよ。』なんてことを言う人が出てくるのかもしれません。
というか、そういう意味でしょうね。
屋久島へ行くと人生変わる!?
ちなみに、『屋久島へ行くと人生変わる』という話もよく耳にします。
それは、大雨の中の縄文杉トレッキングなどはあまりに大変なので、
最終的に多くの方が『なりふり構わず歩く』ことになるからなのでは。
ときに、命の危険を感じながら歩かなければならないこともあります。(筆者経験談)
その体験から『価値観(人生観)が変わった』という方もいらっしゃるのかもしれません。
屋久島旅行 交通の欠航のリスク
上述のご紹介の通り、屋久島は荒天になりやすく、屋久島への交通機関が欠航することが珍しくありません。
屋久島へ就航する船(フェリー・高速船どちらも)は、波が4メートル以上で欠航します。
また飛行機は、荒天だけでなく、雲が厚く見通しが悪くても欠航します。
問題は、その可能性があることを知らないで屋久島旅行をすることです。
逆にそうなった時の対応策を知っていれば、かなりピンチはまぬがれます。
屋久島旅行 交通欠航時の解決策
解決策は、旅行の一週間くらい前から屋久島の天気をチェックすることです。
そして欠航した場合の「次の手」を考えておくこと。
もしくは、どこへ問い合わせたら正確な情報を得られるのかを事前に調べておくことです。
そして、交通が欠航した時にリスクの少ないJAL便利用の屋久島ツアーを選ぶのがおすすめです。
屋久島ファンでは【屋久島観光】旅行をしてみて困ったこととその解決策でも、具体的に対応の仕方をご紹介しています。
また、【屋久島観光】いざという時の必要 & 便利リンク集 では、屋久島旅行で困った時の問い合わせ先をご紹介しています。
とはいえ相手はなんといっても『天気』。
誰も正確には予想できません。
もし屋久島の天気について知っておきたい方は、 屋久島の「年間の天気と気温」なぜ雨が多いのか?で各季節ごとにご紹介しています。
また、屋久島の台風については、【屋久島観光】台風が来る時期はいつ?台風の対応をご紹介!をご覧ください。
いつに屋久島へ行こうか迷う場合は雨が少ない時期はいつ?屋久島観光のベストシーズン【季節別まとめ】で屋久島の観光ごとにベストシーズンをご紹介しています。
屋久島旅行は欠航対応のよいJALツアーがおすすめです
ということで、屋久島ファンでは、交通が欠航したとき、対応のよいJAL便利用のツアーをおすすめしています。
欠航の際に返金してもらえるなら、屋久島旅行を一旦中止して、別の機会も考えられるからです。
ちなみに、こちらのJALダイナミックパッケージ・楽天トラベル・じゃらんパックのツアーは『現地フリー』ですので、ガイドトレッキング付きではありません。
もし、ガイドトレッキング付きの安心ツアーをお探しなら、屋久島旅行にJALのツアーがおすすめの3つの理由とは?で『JALダイナミックパッケージ』のトレッキング付きツアーをご紹介しています。
また、格安のJAL便利用のトレッキング付きツアーなら、ジェイトリップがおすすめです。キャンセル保証はポイントで対応しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
屋久島旅行の知っておきたいリスクについてとその解決策、また、よく聞かれるウワサについてもご紹介しました。
屋久島旅行の知っておきたいことは、トレッキングの場合は、体力や服装、持ち物の準備をしっかりすること。
また、荒天の際は山へ入らないこと。屋久島の川はたとえお天気でも知識のある人のもとで楽しむこと。
そして屋久島旅行での交通が欠航したときの対応策も、事前に考えておきましょう。
最後に、交通が決行した際にしっかり対応してもらえるJAL便利用ツアーについてもご紹介しました。
参考にしていただき、ぜひ安全で楽しい屋久島旅行をなさってください。
皆様が屋久島旅行を満喫でき、無事に家路につくことを心よりお祈りいたします。