白谷雲水峡 太鼓岩コース
屋久島の登山ガイドさん監修で、屋久島トレッキングの服装を詳しくご紹介します。
標高1,000m付近である『縄文杉』や『白谷雲水峡』、『ヤクスギランド』のトレッキングをする方なら参考にしてみてください。
屋久島のトレッキングコースの標高と気温、天気とともに、具体的な屋久島トレッキングにおすすめのアイテムもご紹介します!
私が書きました
ツキシマ アサコ
10年以上、屋久島で観光業に携わっています。
元々旅行者だった筆者ですが、2006年から屋久島へ移住。
11歳の娘と夫の3人暮らし。 東京、名古屋に在住経験あり。
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『標高1000m付近の月別平均気温と天気』 屋久島 トレッキング 服装は?
縄文杉トレッキングコース(11月)
屋久島の里地は年間平均気温20℃と比較的温暖です。
ですが、縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランド は標高1,000m前後。標高が100m上がるごとに0.6℃ずつ下がります。
ですので、屋久島の標高1,000m付近はの年間平均気温は、本土の石川県あたりと同じです。
その気候は夏は避暑地のように涼しく、冬は積雪することも。
また屋久島はその地形から大変雨の多い島。雨に濡れることを想定しましょう。
さらに、屋久島は緯度が本土より下がるので、日差しが強いです。日差しがあると急に気温は上昇します。
【縄文杉コース】標高600m〜1,300m 【白谷雲水峡】標高600m〜1,000m 【ヤクスギランド】標高1,000m〜1300m
屋久島の標高1,000m付近の年間の気温
屋久島の標高1,000m付近の気温 | 最高気温 | 最低気温 |
1月 | 9.4 | 3.0 |
2月 | 11.1 | 5.5 |
3月 | 11.5 | 5.6 |
4月 | 17.7 | 11.1 |
5月 | 19.6 | 14.2 |
6月 | 21.3 | 15.6 |
7月 | 24.8 | 17.6 |
8月 | 26.2 | 18.2 |
9月 | 23.6 | 17.6 |
10月 | 20.0 | 14.6 |
11月 | 15.6 | 9.6 |
12月 | 11.7 | 6.2 |
屋久島 標高1000m付近(縄文杉・白谷雲水峡・ヤクスギランド)のトレッキングするときの服装をご紹介
屋久島 縄文杉コース トロッコ道
屋久島トレッキングでの基本的なコーディネートは『重ね着スタイル』です。
『重ね着スタイル』とは、アイテムを重ねて着ること。暑くなれば脱ぎ、寒くなれば着るという温度調節ができるスタイルのことです。
また、基本的に濡れた時のことを想定して、全てのアイテムにおいて綿のものはではなく、化繊やウールなどの速乾性のものを選びます。
基本の重ね着の内容と考え方は、大きく分けて3つです。
基本の重ね着トップスは3層で考える
- ①肌に直に着るベースレイヤー(肌着)
- ②ベースレイヤーの上に着るミドルウエアー(シャツ・フリースetc)
- ③アウター(レインウエアー・中綿入りジャケットetc)
以上のようなトップスに、
- ⑤パンツ(ズボン)or パンツ+サポートタイツ
- ⑥ソックス
のボトムを合わせせます。
それでは、それぞれの選ぶポイントを詳しく見ていきましょう。
①肌に直に着るベースレイヤー(肌着)
肌着は体温維持に大変重要なアイテムです。汗を吸収、放出して肌をドライに保つ役割があります。
綿素材は、汗や雨で濡れた場合、乾かず体温を奪い、さらに重くなりますのでアウトドア向きではありません。
ベースレイヤーの基本素材は3タイプ。①ポリエステルなどの化学繊維。②メリノウールなどの天然繊維。③化学繊維と天然繊維を合わせたハイブリッド型です。
結論から言えば一番おすすめの素材は②メリノウールです。速乾性があり保温性もあり大変優れた素材です。屋久島で濡れたとき、冷えにくいのもポイントです。
肌に直に着るベースレイヤー(肌着)の おすすめアイテム
【メンズ】
【レディース】
② ベースレイヤーの上に着るミドルウエアー(シャツ・フリースetc)
ミドルウエアーは行動着です。ベースレイヤーから排出される汗を放出する役割と保温の役割があります。
こちらもコットンは避けましょう。デザインは前開きで脱ぎ着ができるものがよいでしょう。
屋久島なら、夏なら「速乾性のシャツ」、「春秋冬ならフリース」、気温が低くなれば、「中綿に化学繊維の入ったダウン」をプラスしましょう。
屋久島トレッキングなら、夏でも必ず長袖にします。
ベースレイヤーの上に着るミドルウエアー(シャツ・フリースetc)の おすすめアイテム
【メンズ】
【レディース】
③アウター(レインウエアー・中綿入りジャケットetc)
アウターは防水・防寒・防風の機能があるものを選びます。雨の多い屋久島ならゴアテックス製のレインウエアにします。
ゴアテックス製とは雨は防いでくれるのに、内側の蒸れは外に逃がしてくれる防水透湿性のある素材のことです。
雨だけでなく風からも身を守り、中の熱を外へ逃がしませんので、一番外側に着ると有効です。
屋久島の場合、夏ならアウターはゴアテックス製のレインウエアでOKですが、それ以外の季節(春秋冬)は気温に応じてフリースや中綿入りジャケットをプラスしていきましょう。
屋久島はダウンではなく中綿入りジャケットがおすすめ
ちなみになぜ「ダウン」でなく「中綿入りジャケット」かというと、「ダウン」は軽くて暖かいのですが、雨や汗の湿気に弱いので、屋久島ではあまりおすすめできないからです。
ダウンは保温性が高く軽く小さくたためるところが長所。冬の季節などは持ち歩いて休憩時に羽織るという使い方もできます。
アウター(レインウエアー・中綿入りジャケットetc)の おすすめアイテム
【メンズ】
【レディース】
④パンツ(ズボン)、サポートタイツ
コットン素材はここでも避けます。もちろんデニムもNGです。濡れたデニムを履いて歩くことを想像してみたら理由はお分かりいただけると思います。必ず速乾性の素材で準備しましょう。
デザインは、ロングパンツでもショートパンツでもどちらでもよいです。ショートパンツに『筋肉サポート機能』のあるタイツを重ねれば、心強い味方に。
パンツ(ズボン)、サポートタイツの おすすめアイテム
【メンズ】
【レディース】
⑤ソックス
トレッキングシューズに履くソックスは、クッション製の高い厚手のものがよいです。これも吸湿性と速乾性が重要です。足先が濡れていると本当に不快ですし、くつずれの原因にもなります。やっぱりウールがおすすめです。
ソックスの おすすめアイテム
【メンズ】【レディース】
屋久島トレッキングの服装でユニクロはアリ?
『屋久島トレッキングの服装でユニクロはアリなの?』という疑問をお持ちの方へ。
屋久島の登山ガイドさんに、ユニクロを使ってみての感想を伺ってみました。
実際にユニクロをトレッキングに使用してみた登山ガイドさんの証言
『ユニクロって、トレッキングに使えるの?』
『ユニクロぜんぜん使えるよー。』
『じゃあ、ユニクロでいいじゃん。』
『いやいや、それはやっぱ違うよ。そりゃあアウトドアブランドのものの方がいいよ。』
『そりゃそうか・・・具体的にどんなところが違うの?』
『スペックだよ。例えば、ユニクロの方が濡れたときの乾きが遅いとか、着用感が重いとか・・・。軽いトレッキング程度ならいいけど、ガッツリ登山をする場合は、アウトドアブランドでないと危ないかな。』
ということでした。
要するに、ユニクロ(運動目的で作られたアイテムのこと)でも使えなくはないが、快適度や長時間の使用感、強度などの面から考えると、やはりアウトドアブランドのアイテムがおすすめとのことでした。(当たり前といえば当たり前ですよね。値段がゼンゼンちがいますからね。^^;)
ちなみに、筆者の感想ですが、ヒートテックで縄文杉トレッキングはNGでした。トレッキング中の発汗に対応しきれません。こちらのページでご紹介しているウール素材の肌着が一番おすすめです。
屋久島トレッキングに適した登山靴を紹介
トレッキングシューズは防水性で滑りにくいものを 白谷雲水峡にて
屋久島の縄文杉トレッキングを機にトレッキングシューズを購入する方も多いと思います。
でも、どの程度のものを準備すべきか、初心者ならずとも迷いますよね。
屋久島に丁度よいトレッキングシューズとは?
屋久島の縄文杉〜白谷雲水峡程度のトレッキングにちょうどよいのは、トレッキングシューズの中では、比較的軽量でソールが柔らかいものがよいでしょう。(といってもスニーカーはおすすめしませんが・・・)
ソールの硬いトレッキングシューズは、もう少しハードなトレッキングや、重い荷物を背負う場合に最適といえます。
そして、できれば防水性で滑りにくいものを選びましょう。
縄文杉のトロッコ道も、白谷雲水峡の古道も雨が多く降れば、流れる水の中を歩く感じになります。
メモ
購入するなら、できるだけ店頭で試着されることをおすすめします。
どうしても通販される場合は、必ず返品可能なお店を選び、自宅で試着してから決めましょう。
屋久島トレッキングシューズの おすすめアイテム
【メンズ】
【レディース】
屋久島 トレッキング 服装 季節ごと・男性・女性別でご紹介
屋久島トレッキング 春・秋の服装
(4月〜5月、9月下旬〜11月上旬)
気温の変化が激しい季節です。重ね着で調節できるようにします。早朝など気温が低ければレインウエアのinにもう一枚重ねましょう。逆に日が高くなり、歩いている時は暑くなり汗ばみます。
脱ぎ着ができるようにするのが基本です。また、ベースレイヤーを2枚にしてもよいでしょう。
上:速乾性の長袖or半袖のTシャツ+長袖の羽織+レインウエア
下:速乾性のロングパンツor速乾性のハーフパンツ+タイツ
【春・秋のアイテムを 男性・女性別で 詳しくご紹介】
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屋久島トレッキング 夏の服装
(6月〜9月中旬)
屋久島の山の上の夏は避暑地のように涼しいです。歩けば暑いですが、雨が降り風が強いと寒さを感じることも。必ず長袖の羽織るものを持ちましょう。レインウエアをアウターにしてOKです。
上:半袖のTシャツ+長袖の羽織+レインウエア
下:速乾性のロングパンツor速乾性のハーフパンツ+タイツ
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屋久島トレッキング 冬の服装
(11月下旬〜3月)
屋久島の山の冬は寒波が来れば積雪があります。雪が降る季節を思い浮かべて準備します。ただし、歩くと暑くなるので、着すぎに注意が必要です。
上:化繊やウールの中厚手の長袖アンダーウェアー+長袖の羽織+or厚手のフリースなど+レインウエア
下:アウトドア用の厚手ロングパンツ(寒いときはinにタイツを履きます。)
プラスアイテム:ウールのニット帽、手袋、マフラーやネックウォーマー、カイロ
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さいごに:屋久島トレッキング服装は、綿素材はNG!重ね着スタイルで体温調節をしながら歩くが正解です。
いかがでしたでしょうか。屋久島の縄文杉、白谷雲水峡、ヤクスギランドへ行く場合の気温と服装についてご紹介しました。
縄文杉トレッキングは1日10時間歩くロングトレッキングです。
利用するアイテムが、快適度や体力の消耗度に直接関わる為、完歩できるかの重要なカギになります。
ぜひ参考にしていただき、安全で楽しいトレッキングなさってくださいね。
皆様が無事トレッキングをされることを、心よりお祈りいたします。
屋久島の観光・トレッキング 記事一覧