屋久島観光【西部林道ドライブ】体験談と行き方のご紹介(地図/時間/トイレ/注意点)
こちらでは、屋久島西部林道ドライブの体験談とともに、地図や注意点なども併せてご紹介します。
西側エリアにある「西部林道」は「世界自然遺産登録地域」でもあり、人気のドライブコース。
このエリアは、お店も民家も全くありません。ですが野生のサルやシカに出会え、照葉樹の森や、海の景色が素晴らしい観光スポットでもあります。
ということで、西部林道ドライブレビューをご紹介します!
10年以上、屋久島で観光業に携わっています。
元々旅行者だった筆者ですが、2006年から屋久島へ移住。
14歳の娘と夫の3人暮らし。 東京、名古屋に在住経験あり。
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西部林道を南側(大川の滝方面)からドライブしてみました!
西部林道の南側の一番端の集落は、栗生(くりお)と言います。
海がとてもきれいで、「屋久島青少年旅行村」のキャンプ施設や、「栗生海水浴場、タイドプール」などがあり、屋久島の中でも南国の雰囲気漂う所。
そこから『大川の滝』を過ぎ、そのまま進むと『西部林道エリア』に入っていきます。
最初は道は狭くありませんが、進むにつれて狭くなっていきます。この辺りから、スピードを落として進みます。
とにかくサルがわんさかいます。(笑)西部林道のサルは車や人に慣れているので、ちょっと近づいたくらいでは逃げません。
そんな時は、クラクションは鳴らさず徐行してゆっくり進めば動いてくれます。
屋久島のサルは『ヤクシマザル』という亜種で、『ホンドザル』と区別されています。日本にはこの2種類しかないそうです。
さらに進むと周りには日本有数の照葉樹の森が広がります。
車がやっと1台通れる程度の細い道が続きます。対向車が来たら、途中に路肩が広くなっている箇所まで、どちらかがバックして戻ってすれ違います。
西部林道は海沿いの道なので、ところどころで海が見える絶景ポイントがあります。
この絶景は、ハワイの『ダイヤモンドヘッド灯台の景色』にも『負けずとも劣らない』と思うのですが・・・(言い過ぎでしょうか?笑)
屋久島のサルやシカは、そうっとしておけば、人間に襲いかかることはないので大丈夫です。
ですがサルやシカに対しては、もちろんエサをあげてはいけません。
なぜなら、生態系への影響もありますし、サルがエサをもらうことを覚えてしまうと、エサ欲しさに、人間に襲いかかるようになってしまいます。
また、サルへは10m以内には近づかないようにします。大きな声を出したりしてびっくりさせないことも大事です。
子ザルを抱いたお母さんサルは、さらに警戒心が強くなっているのでそっとしておきましょう。
屋久島のシカは『ヤクシカ』といいます。
『ヤクシカ』は『ニホンジカ』の中で一番小さい亜種で、「屋久島」と隣の「口永良部島」のみに生息しています。
雄ジカにだけ生えるシカの角は、春になると脱落し毎年新しく生えるそうです。秋になると雌ジカにアピールするために「フィーヨー」と大きな声で鳴きます。
屋久島では稀に車がシカにぶつかる事故があります(°_°)。ぶつかると車が破損しますので気をつけて。
西部林道を進むと途中から、屋久島の西側に「口永良部島」が見えます。住所は屋久島町ですが別の島です。「口永良部島」へは屋久島から1日1便フェリーが出ています。
「口永良部島」は、最近よく噴火しているので、ニュースなどでご存知の方もいらっしゃるのでは。火山島なので温泉がたくさんあり、遠方から湯治に人が来るほど泉質がよいです。
かなりディープですがすごくいい島です。(ちなみに屋久島は火山島ではありません。)
「屋久島灯台」まで来ると西部林道もおしまいです。
「屋久島灯台」はとても眺めがよい観光スポットです。灯台の周りを、歩いてぐるりと回ることができます。
天気がよく見晴らしがよければ、鹿児島やその他の島を見ることができます。
「屋久島灯台」は明治時代、台湾を領土にした日本が、台湾へ向かう南方航路整備のため建てられました。真っ白できれいな灯台です。高さは19,6m。
西部林道ドライブの注意点
西部林道には特に「入口」や「出口」などはなく、大川の滝あたりから永田灯台までを指します。
この区間を車でドライブするとおよそ1時間程度かかります。
トイレはなく、最寄りの公衆トイレは北側なら「永田いなか浜」、南側なら「大川の滝」となります。
西部林道エリアはお店、民家、自動販売機もなく、携帯電話の電波も届きません。ちなみに西部林道を抜けても当分お店はないので、必要ならば、食べ物、飲み物、ガソリンなど、それなりの準備が必要です。
道が途中から細くなるため、運転に不慣れな方は気をつけましょう。
西部林道エリアの森について
かつては西日本の低地に広く分布した「照葉樹の森」。屋久島西部林道エリアは、そんな日本に昔からあった森が現在も広域で残る貴重な森です。
西部の海岸エリアは亜熱帯気候ですが、なんと屋久島の山頂部は亜寒帯気候なのです。
なぜそんなに気候が違うのかというと、屋久島の山頂は標高約2,000mほどの九州最高峰の高さもあるからなんです。
気温は100m登ると−6℃なので、山頂部は北海道と同じ気温、気候となります。
海岸エリアから山頂まで途切れることなく続く森は、気温変化と共に移り変わる、植物の垂直分布を見ることができ、これが西部林道エリアが世界遺産になった理由でもあります。
西部の森へ入ると、縄文杉や白谷雲水峡の周りの森とは少し違った雰囲気。それは、ガジュマルやアコウなどの亜熱帯の植物が混在する森だから。
この西部林道エリアは、屋久島の森のもう一つの顔でもあるんです。
西部林道の森トレッキングをしたいならガイドツアーへ参加しましょう。
残念ながらこの西部林道エリアの森は、道がなく危険なため入ることができません。
西部林道エリアの森へ入る場合は現地のガイドさんへツアーをお願いした方がよいでしょう。
屋久島の現地ガイドツアー紹介
屋久島のその他の観光スポット情報
西部林道のみならず、屋久島の観光スポットを厳選してご紹介します。ベスト10でなくベスト9なのは、厳選したら、あと1つなかったからです ^^; 私が何度も行きたくなる屋久島観光スポット 25選(穴場あり)
さいごに:屋久島観光スポット【西部林道ドライブ】レビュー
いかがでしたでしょうか。屋久島の西部林道エリアのドライブの様子とともに、観光のポイントなどもご紹介しました。
映画『もののけ姫』を制作するために、ジブリロケハンが屋久島へ来た一番の目的は、実はこの西部林道エリアの森を見るためだったとか。
西部林道エリアは、屋久島らしい森の感じも残しつつ、ガジュマルやクワズイモなどの亜熱帯の植物が生い茂る素晴らしい森。その森もドライブスルーで観光できてしまうのでおすすめです。
運転とシカ(!?笑)に気をつけて、楽しい屋久島観光をなさってくださいね。